皆さん、こんにちは。
理事の橋本です。
先日、父が眠るお寺の住職さんよりお手紙をいただきました。
その冒頭「時下ますますご清栄にて、二利双修の御事とお慶び申し上げます」と書かれていました。
二利双修。
始めて聞く言葉で、私なりに少し調べてみました。
お寺の住職さんだけあって、やはり仏教における指針(教え?)の一つのようです。
二利。
その一つが「自利」。
もう一つは「利他」。
文字通り、自分に利益があること。
そして、他人にも利益があること。
「自分を高めていくことを自利、誰かのために何かを行うことを利他」とも言えるでしょう。
この二つが共にある様、学び修めることを総じて「二利双修」というようです。
ちょっと気になったのが、この二利の順番。
自利(→)利他なのです。
「利他」が先に来るのかと思いきや「自利」が先。
そこが気になって、もう少し深く調べてみました。
ここから先は、私の実体験も含めた理解と解釈です。
もし「誰かに貢献したい」「誰かのお役に立ちたい」と思っても、その人にそれを行う能力・実力がなければ「ただの思い」だけで終わってしまいます。
自分が勝っている状態でなければ結局のところ、他者に貢献することはなかなか難しい。
これが事実であり、現実だと思うのです。
それから時々、自分の身を削って、人に施す方を見かけます。
利他のみに行き過ぎている人たちです。
もちろん、その純粋な思いは分からなくないのですが・・・。
実際、私の身近でも何人か、このタイプの人を見てきました。
でも、自分が勝っていない人が、いつまでも人に施しを続けることは困難です。
施しが徐々に苦しくなってくると、大体「被害者ポジション」になって行くのを、これまで何度か見てきました。
「あれだけしてやったのに・・・」が始まるのです。
だから、まずは自分を高めていくこと(自利)が先にあってもいいように思うのです。
自利利他の順番通りに。
それができたらきっと、自然に「人のために」となって行く。
そんな風に感じた今週の出来事でした。