理事の辰田です。
今日はフィットネスとエンターテイメントという近いようで遠い、遠いようで近い、ような「≒」でもないけど「≠」とも言えない複雑な関係性について独り言のように考えてみます。ここでのエンターテイメントとは楽しさの提供という意味で読み進めてください。
まず、フィットネスをするにあたって目の前にある個々人の目標はずいぶん前に数学で習った平均変化率のようにサラリとしていませんよね。目標に到達するまでは途中で壁が出てきたりポッカリ穴が空いていたりしていてまっすぐに辿り着けないのが人間です。
崩れ落ちてしまわないように瞬間的な状況を微分係数を求めるようにひとつひとつ把握して軌道修正をできればいいのですが、トレーナーのマンパワーだけでは限界があります。その欠点を効率的に広くカバーしてくれるのがエンターテイメントだと思います。
とある会社の代表がおっしゃってましたがフィットネスはエンターテイメントだとのことでした。ある意味ではごもっともです。上記にあるように何事も楽しくないと人間は長続きしません。ただし派手な演出をして楽しさだけが先行しても継続してもらうのは難しいのではないでしょうか。
確かな機能的な価値提供ができるという前提でその上に楽しさという上澄みがあればベリグッドだと思いますが、ハード偏重でソフトがもたらす機能的価値がほとんどない状態で、その上にエンターテイメントだけを上乗せしても顧客は長く関心を持ってくれないのだと思ってます。
要は表面的なエンターテイメントは期待値が高いゆえにすぐに飽きられる。
ここに総合型フィットネスクラブの定着率が異常なまでに低い所以のひとつがあります。施設全体のハードとスタジオプログラムは強いけどジムが置いてけぼりになっています。とはいえ、完全に弱点を補強して確かな機能的価値の提供とエンターテイメントの融合から生まれる相乗効果を企業の好業績にまで発展させることは非常に難易度が高いことです。
どの会社さんもそれを明確に提供できているとは思えません。もちろん僕も。
しかし、総合型フィットネスクラブはそれを作っていかないとこれからのwithコロナ時代に生き残っていくことは難しいと思ってます。そういう意味では我々も、産業全体もまだまだ発展途上だと強く感じるし、その分チャンスもたくさんあると改めて思います。僕自身はフィットネスにおいても人生においても、エンターテイメントは大切だと思っています。
しかし当社のサービスはソフトとハードを融合して完成形といえる至高の状態に辿り着くであろうずいぶん手前の機能的価値の提供とその拠点を適正に増やしていくことに自分の役割とその価値を見いだし力を注いでいる段階です。ゴールはまだ遠いし、そもそもそこが本当にゴールかどうかもわかりません。モノやコトへの価値観は常に変化していきます。このコロナ禍でも大きな変化が起きています。
とはいえ、今より良くなっていくことは確かです。僕は長く愛される商品、大切にされる商品には機能的価値を満たしているという前提が必要だと思うし、それを原理原則に基づいて作り上げていきたいと思っています。産業全体で考えればエンターテイメントの勉強も必要なのでしょうけど、そこに辿り着く目処はまだついていません。
これからも試行錯誤の連続ですね。時間は有限です。今年もあっという間に過ぎ去ります。自分にできることに集中していこうと思います。